SERGE THORAVAL-セルジュ・トラヴァル- H.P.FRANCE

【Maille -編み目-】 存在感を湛えるフェミニンな輝き

2018.06.25 Mon

フランス語で“網目”を意味する“Maille(マイユ)”。
ひと目見たら忘れられないインパクトを持つこのアクセサリーは、その名の通りクリスタルガラスのパーツと金属の輪で編むように作られている。
誕生から20年を迎えたパリのジュエリーブランド「SERGE THORAVAL(セルジュ・トラヴァル)」。
ひとつひとつ手作業で打ちこまれる無骨な文字、なめらかでないからこその表情を見せるそれぞれのフォルム。シルバーやゴールドに愛の詩やメッセージを刻むことにより、素材が持つ魅力を最大限に活かした印象的なアクセサリーは男女問わず永く愛されている。

日本で初めてSERGE THORAVALが紹介された1995年当初より、このMailleも展開されており、たくさんの女性を魅了してきた。高価な貴金属や貴石で作られたジュエリーがほとんどだった当時、このガラスとシルバーで作られた斬新なリングの登場はジュエリー界に衝撃を与えた。その輝き、たくさんのパーツが重なって生まれるボリュームと存在感は、フェミニンでありつつも刺激的で人々の感性に訴えかけた。
デザイナーのセルジュ・トラヴァルが最初にストラス(ガラスビーズ)を使って具現した作品は、ティエリー・ミュグレーのショー用に作られた、パリの有名なキャバレー「LIDO」を彷彿とするスタイルのビキニトップだった。その作業はセルジュがスタートしていた刻印されたビジューのそれとは異なるものであったが、カラフルで遊びっ気のある側面が彼のお気に入りだった。
溶接してはめ込むのではなく、セルジュが想像したのはストラスの後ろに輪をはめて、次にそれらを繋げていくためにまた別の輪を縦横に横断させて繋いでゆくことで、動きによって自由な曲面を描くある種の編み物であった。
かくして、Mailleが誕生したのである。

これをきっかけに、さまざまなバリエーションの連接が試されていく。ペピット(小さな粒)、丸や四角のプレート、シリンダーの形、古色を帯びた三角のメタル、酸化させたメタル、グリーングレー、ゴールド、シルバー、ストラス、カボション(丸い石をはめ込んだもの)等…。
これらの組み合わせから、素晴らしいパッチワークのバングルやネックレスが作られていった。
それらはとても手の込んだ長時間の作業を経て作り上げられるため、限られたクライアントの一点ものに限られた。
しかし、いくつかのモデルは豪華な見た目はそのままに量産を可能にし、数多くのファンを魅了した。Mailleのバリエーションはリングだけに留まらず、ブレスレット、ネックレス、イヤリングと広がり、そのストラスの色はシーズンやモードの流れに応じて変化していった。
Mailleを作る作業はとても特別で繊細なものだったので、セルジュはさらなるハイレンジなラインを生み出すことに惹かれてゆく。 最終的には、18Kゴールドのシリーズや貴石をはめ込んだシリーズを作りたいと考えるようになった。バイクの事故が彼の命を奪い、この夢は僅か2ピースの実現に限られてしまったが、それは酸化させたゴールドのペピットのリングと、オパールをはめ込んだ見事なリングであった。

セルジュの新しい挑戦を見ることができないのは我々にとって非常に残念なことではあるが、これまで発表されたコレクション、そしてこのMailleは、「永遠の定番」としてこれからもずっと女性たちの心を惹きつけ続ける。身に着けた時、心が躍るようなジュエリーとして。